はたしてMr.Thumbは善か悪か
4体のClanによって灰色に染められた世界には、秩序も概念も存在せず、 在るのは過去の蓄積された情報と、現在の隙間から覗くニヒルな笑みだけだった。 Mr.Thumbは悩んでいた。 文字や記号を羅列し、82cm四方のスペースで全てが完結しうるこの世界に、 新たな未来を提示する事は、はたして良い事なのだろうか? 未来は明るいという保証は神にもできない。 むろんMr.Thumbとて同じだが、神は未来を見る事ができるだろう。 しかしMr.Thumbは未来を見る事も感じる事も出来ない。 未来の提示とは現在との決別であり、Mr.Thumbの存在自体が無になるという事だ。 「わたしが無に入る事に恐れはない。恐ろしいのは、一旦無に入ると終わりなき無限のループを同時に形成されてしまう事だ…」 そう伝えると、Mr.Thumbはカオスボールを飲み込み、4体のClanを一度に吸収し終えると、新たなカオスを形成し、自ら無限のループへと身を投じた。 そして一瞬の色彩が82cm四方のスペースで花咲いた。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――